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「顔出し」という覚悟
文谷 蓮 2025.10.03
「顔出し」という覚悟

前回の日記 https://kaikan.co/tokyo/397/26029/diary/481341/ で書いたとおり、ぼくは作家志望です

本格的に小説を書きはじめた二十代中盤から、その道以外は考えたことがないほど、ゆるぎのない目標です

小説で世に出ることができたら、遅かれ早かれ、世間に顔をさらすことになるでしょう

だからこうして性風俗産業で働くのは、ましてやおおっぴらに顔を出し、Xや写メ日記で自ら「作家志望です」などと喧伝するのは、非常にリスクの大きな行為です

でも、ぼくは、そのいばらの道を選んだ

ちょっと調べれば、女風セラピストが簡単な仕事でないことくらいはすぐにわかります。未経験の四十代が、東京で暮らしていくための最低限の生活費を稼ぐのも、容易なことではないでしょう

女性によろこんでもらうのはもともとすごく好きで、自信もそれなりにあるのですが、まずは指名してもらえなければお話にならない

すこしでも興味をもってもらうには、使えるものはなんでも使って、自分を売りこむ必要がある。そう考えての顔出し、そう考えての自己開示です

作家志望であることを知ってもらい、ぼくの文章を読んでもらえれば、他のひとがあたえてくれない「ことば」の洪水で溺れさせてほしいと望む方や、肉体だけでなく頭でも欲情できる方、相手の脳の中身に性的興奮をおぼえる方などに、関心をもっていただけるのではないかと思ったのです

ぼくは、女風セラピストが恥ずかしい仕事だとは思いません

それどころか、自分の能力・努力・向きあいかた次第で、とてもすてきな、ちいさな奇跡を起こすことのできる職業だと考えています

たとえばぼくの施術によって「イク」ことをおぼえた女性が、それによって恋人や夫との性行為でもオーガズムに達することができるようになり、しあわせな生活を送れるようになる。あるいは、自分に自信をもつことができなかった方が、女性としてたいせつにあつかわれる経験を重ねることで、自身を肯定してやれるようになる。そういうことだって、起こりうるわけです

ですが一方で、ひとりひとりの女性ときちんと向きあわず「エロいことしてるだけで、ラクにお金が稼げる」などと甘っちょろい考えで取り組み、結果、女性にかなしい気持ちを味わわせてしまったら、それは死ぬほどダサいですよね

だからつまり、顔出しは「覚悟」の表明でもあるのです

「胸をはって『自分はセラピストです』と言えるような接客・施術をするぞ」「リスクを負ったぶん、きちんと稼げるようになるぞ」「それができなければ、笑いものにされてもしかたない」という覚悟です

女風セラピストは「信用」がだいじであると考えています。いくら顔がよかろうと、いくら技術が長けていようと、「このひとなら身を任せられそう」という安心感がなければ、女性に選んではもらえないでしょう

まだ女性用風俗を利用したことがない方はとくにそうでしょうし、利用経験がある方でも、はじめてのセラピストを指名するときはどうしたって慎重になりますよね

だからこうやって自分の覚悟と本気を伝えることで、すこしでも「こいつは信用できそうだな」と思ってほしくて、この日記を書きました

けっして短くはない文章を、読んでくださってありがとうございます

これからも、熱の伝わる日記を書いていこうと思っています

「文谷 蓮」という物語を、いっしょにおもしろがってもらえたらうれしいです

【次回予告】なぜ「アーメン東京」という店を選んだか(本日20時ごろ投稿予定)

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