DIARY 写メ日記の詳細
坩堝(るつぼ)
文谷 蓮
2025.10.10

ある特定の言いまわしでのみ目に(耳に)するけれど、それがもともとどういうものなのかよくわからない語ってありますよね
「るつぼ」もそのひとつではないでしょうか
人種のるつぼ。興奮のるつぼと化す。このふたつ以外で使われることはまずなくって「で、るつぼってなに?」って聞かれるとよくわからない
坩堝(るつぼ)
物質を溶融させる際に用いる容器のこと。転じて、さまざまな物が混ざり合って渦巻いている様子を形容する表現として用いられる
だそうです。つまり、単に雑多なものが存在しているというだけでなく、どろどろに溶け合っている、混沌としたニュアンスがあるんですね
なぜこんな話をしているかというと
きのうはじめて、セラピストの方々や女風ユーザーの方々とお話をさせていただいたんです
たがいを深く掘るほどの時間はありませんでしたが、すこし話しただけでも、それぞれに興味深いバックボーンがあることがうかがい知れました
ぼくは二十歳をすぎてから、役者や物書きとしか深くは関わってこなかったので、みなさん、出会ったことのないタイプで(あちらから見れば、ぼくもそうなのでしょうが)
歩んできた人生も、たいせつにしているものも、美学も哲学も、あたりまえだけど、みなさんバラバラだろうと思います
でも(あえて乱暴な言い方をしますが)「エロ」という一点で、みんなつながっている
それがなんだか、すがすがしくっていいなあと
これからぼくはこの世界で、たくさんのゆかいなひとたちと出会うでしょう
もちろん傷つくことや落ちこむ日もあるでしょうが、それもふくめて、書き手としての、人間としての、男性としての、大きな財産になるにちがいありません
これを読んでくださっているあなたとも、はやく出会いたいです
人生のるつぼ、歌舞伎町に愛をこめて