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女性用風俗(女性向け風俗)と民俗学|日本の性文化の深層から見る、女性の性の主体性

「日本の女性は性に消極的」というイメージは、本当でしょうか? 近年、女性用風俗・女性向け風俗が急速に広まる中で、「最近の女性は変わった」「新しい現象だ」と語られることが少なくありません。

しかし、民俗学の視点から日本の歴史を遡ると、まったく異なる景色が見えてきます。 日本にはもともと、性に対しておおらかで、女性が能動的に性に関わる文化が広く存在していたのです。

夜這い、性器崇拝、まぐわいの祭り── 民俗学者たちが記録してきた性民俗の数々は、女性が性の主体として扱われてきた長い歴史の証拠です。

この記事では、

  • 民俗学とは何か、性民俗とは何か
  • 日本古来の性文化(夜這い・性器崇拝・まぐわい祭り)
  • 民俗学者・赤松啓介が記録した性民俗
  • 神話・古事記に見る性の捉え方
  • 女性用風俗・女性向け風俗との文化的連続性

を、わかりやすく整理してお届けします。 歴史の深層を知ると、女性用風俗・女性向け風俗が広がる現代の流れが、まったく違う角度から見えてくるはずです。


民俗学と「性民俗」とは

民俗学(みんぞくがく)は、人々の暮らしや信仰、習慣を記録し研究する学問です。 日本では、柳田國男(やなぎた くにお)を中心に発展した「常民の民俗学」と、その後赤松啓介(あかまつ けいすけ)などが提唱した「非常民の民俗学」が知られています。

性民俗とは

性民俗とは、性に関する習慣・信仰・儀礼などを記録・研究する民俗学の一分野です。 夜這い、若衆組、性器崇拝、まぐわいの祭り、遊郭文化、産育習俗など、人々の生活に深く根ざした性の文化を扱います。

柳田と赤松の対立

日本民俗学の父・柳田國男は、「性とやくざと天皇」をあえて研究対象から外したと言われています。 これに対して赤松啓介は、「柳田が切り捨ててきた性民俗や性生活の実像こそ研究すべき」と、生涯をかけて庶民の性民俗を記録しました。

赤松の代表作『夜這いの民俗学』『夜這いの性愛論』には、こうあります。

ムラであれマチであれ、伝統的日本社会は性に対し実におおらかで、筒抜けで、公明正大であった。

つまり、日本の伝統社会は、現代の私たちが想像するよりもはるかに性にオープンだったのです。


古代日本の性観念|神話に見るおおらかさ

日本の性文化のおおらかさは、最古の神話にもはっきりと現れています。

古事記の「天岩戸」神話

天照大神(あまてらすおおみかみ)が岩戸に隠れたとき、女神アメノウズメが岩戸の前で局部を露わにして踊り、他の神々が大笑いしたことで、天照大神が顔を覗かせた── これは古事記に記された有名なエピソードです。

ここで重要なのは、

  • 性をタブーとして隠していない
  • 笑いと結びついている
  • 神々の儀式の中に組み込まれている

という3点です。性は神聖さや笑い、生命の力と結びついた、ポジティブな存在として扱われていたのです。

「まぐわい」という言葉

イザナミとイザナギの国産み神話に登場する「まぐわい」は、「目交う(めかう)」が語源とされています。 「まぐわい」は性的な交わりを意味する言葉ですが、その根底には「目を合わせる」「アイコンタクトを取る」という、シンプルで美しい所作が含まれています。

この感覚は、平安時代の「逢う」「見る」という性的・恋愛的なニュアンスにも繋がっていきました。


「夜這い」の民俗|村社会で根づいていた性習俗

民俗学が記録した日本の性民俗の中でも、特に有名なのが「夜這い(よばい)」です。

夜這いとは

夜這いは、夜中に男性が女性のもとを訪れる風習で、結婚や恋愛と密接に結びついた習俗でした。 明治以降、近代国家による道徳統制で姿を消していきましたが、戦前まで日本各地の農村に残っていたとされています。

夜這いの社会的機能

夜這いは、単なる「性的な行為」ではなく、村社会における様々な機能を持っていました。

  • 若い男女の出会いの場
  • 結婚相手を選ぶ仕組み
  • 性教育の場
  • 村の連帯感を維持する仕組み

特に重要なのは、女性の側にも一定の「拒否権」があったとされている点です。 村の若衆組のルールに沿って行われる中で、女性は自分の意思で相手を選ぶことができたとされています。

男女の出会いと性のおおらかさ

夜這いの存在は、「日本の女性は性に受け身だった」というイメージを覆します。 むしろ、女性の選択や意思が尊重される、村社会ならではの仕組みが存在していたのです。


性器崇拝|神聖視されてきた性の象徴

日本各地には、性器を神聖な象徴として崇める「性器崇拝」の伝統が今も残っています。

性器崇拝とは

生殖器崇拝とは、男女の生殖器に多産や豊穣をもたらす呪術的な力を認め、信仰の対象とする民俗です。 日本では、神道系(金山毘古神・道祖神など)と仏教系(聖天)の両方に、性器崇拝の伝統があります。

全国に残る性器崇拝の祭り

現代でも、日本各地で性器崇拝に基づく祭りが行われています。

祭り名場所特徴
淡島・金勢祭り岩手県女陰形と男根形の御神体を併せる「まぐわいの儀」
中沢虫追いまつり岩手県男女一対の藁人形を町内で練り歩く
白山丸祭り新潟県男根の木像を持って踊る伝統芸能
姫神祭徳島県男根のハリボテを女陰形の自然石まで運び合体
ぼんのこへんのこ祭滋賀県女陰形の茅の輪と男根形の木像を奉納
田縣神社・豊年祭愛知県巨大な男根神輿が町を練り歩く

民俗学者の指摘

民俗学者の加藤玄智はこう述べています。

都市部を離れ農村部に入ると、アニミズム、呪物崇拝、男根崇拝の痕跡をたくさん見つけることができる

つまり、日本の伝統社会では、性器は隠すべきものではなく、生命力・豊穣・繁栄の象徴として神聖視されてきたのです。


江戸時代の性民俗|春画と遊郭

江戸時代に入ると、性民俗はさらに豊かに花開きます。

春画(笑い絵)の流行

江戸時代、春画は「笑い絵」「枕絵」と呼ばれ、男女を問わず広く楽しまれました。 京都の細見美術館の春画展でも、

大名から庶民まで貴賤を問わず、男女対等に楽しまれました

と紹介されています。

春画では、女性も能動的に描かれ、性を謳歌する存在として表現されていました。

遊郭文化と「拒否権」

江戸時代の遊郭にも、興味深い側面があります。 集英社「すばる」の書評にはこうあります。

太夫クラスの高級遊女であれば客を拒否することもできた

これは、平安時代の通い婚における女性の側の拒否権の継承とも見ることができます。 日本の性文化には、形を変えながらも「女性の選択」を尊重する側面が、長く存在していたのです。

セルフプレジャーの文化

江戸時代の春画『艶道日夜女宝記』には、女性のセルフプレジャー方法が描かれていました。 張形(はりがた)という性具を扱う「四ツ目屋」という専門店も存在し、女性が自分の性と向き合う文化が確立されていたのです。


明治以降のタブー化と現代

これだけ豊かな性民俗を持っていた日本ですが、明治時代以降、大きな変化が訪れます。

「猥褻」という概念の流入

明治時代になると、西洋的な道徳観が流入し、「猥褻の罪」という概念が生まれました。 それまでは生活の一部だった性民俗が、急速にタブー視されるようになっていきます。

  • 春画の規制
  • 夜這いの抑制
  • 性器崇拝の縮小
  • 女性の性の主体性の抑圧

これらは、近代国家を作るために必要な道徳統制の一環でしたが、結果として日本古来の性のおおらかさは表舞台から姿を消しました。

戦後・現代まで続いた抑圧

明治以降のタブー化は、戦後の高度経済成長期、現代に至るまで影響を残しています。 「女性が性を語ること」「女性が性的サービスを利用すること」への心理的ハードルは、こうした近代の抑圧の名残でもあるのです。


民俗学から見た女性用風俗・女性向け風俗

ここまで見てきた民俗学的な視点を踏まえると、女性用風俗・女性向け風俗の存在意義が、まったく新しい角度から見えてきます。

「女性が性を求める」のは新しいことではない

民俗学が記録してきた歴史を見れば、女性が性に主体的であることは、決して新しい現象ではありません。

  • 夜這い文化での女性の選択権
  • 性器崇拝における女陰の神聖視
  • 春画を楽しむ女性たち
  • 遊女たちの拒否権
  • 江戸時代のセルフプレジャー文化

これらすべてが、女性が性の主体として尊重されてきた歴史の証拠です。

女性用風俗・女性向け風俗は「文化の復活」

明治以降のタブー化で抑圧されてきた女性の性的主体性が、令和の時代に女性用風俗・女性向け風俗という形で再び姿を現しています。 これは、新しい現象というより、長く封じ込められていた日本古来の性文化が、現代の形で蘇っていると捉えることができます。

民俗学的な視点で見ると

古来の性民俗現代の女性用風俗・女性向け風俗
夜這いでの女性の選択お客様としての店舗・セラピスト選択
性器崇拝での生命力肯定自分の身体を肯定する時間
春画を楽しむ女性性を楽しむ主体としての女性
遊女の拒否権サービス内容を選ぶ自由
まぐわい祭りの祝祭性非日常としての女風体験

両者には、「性を否定的に隠すのではなく、生活や生命の一部として受け入れる」という日本本来の感性が共通しています。


民俗学的視点が私たちに教えてくれること

民俗学の視点から女性用風俗・女性向け風俗を見直すことには、いくつかの意義があります。

① 罪悪感を持つ必要はない

女性用風俗・女性向け風俗を利用することに、後ろめたさや罪悪感を感じる方もいます。 しかし、民俗学的に見れば、それは日本の伝統に逆らう行為ではなく、むしろ古来の感性に立ち戻る行為です。

② 性は隠すものではない

日本の性民俗が教えてくれるのは、「性は隠すものではなく、生命や豊穣と結びついた大切な要素」という感覚です。 現代の私たちも、性を秘するべきタブーとしてではなく、自分を大切にする一部として捉え直してよいのです。

③ 主体性は奪われたものではなく取り戻すもの

女性の性的主体性は、もともと日本にあったもの。 明治以降に抑圧されただけで、本来は私たちの文化の一部です。 女性用風俗・女性向け風俗を選ぶことは、その主体性を「取り戻す」ことでもあります。

④ 笑いと性の親和性

日本の性民俗には、笑いや祝祭性が深く結びついていました。 重く考えすぎず、自分の身体や心を労る楽しい時間として性を捉える視点も、民俗学から学べる重要な姿勢です。


まとめ|女性用風俗・女性向け風俗は日本の性民俗の現代的継承

民俗学の視点から見ると、女性用風俗・女性向け風俗は突然現れた新しい現象ではなく、日本古来の性文化の現代的な継承であると言えます。

今回のポイントを振り返ります。

  • 民俗学の中でも「性民俗」は、人々の生活に根ざした性文化を扱う分野
  • 赤松啓介らが記録した日本の伝統社会は、性に対しておおらかだった
  • 古事記の天岩戸神話は、性の祝祭性・笑いとの結びつきを示す
  • 「夜這い」では、女性にも一定の選択権があった
  • 全国に今も残る性器崇拝の祭りは、性を生命力として神聖視する文化の証
  • 江戸時代の春画・遊郭・セルフプレジャー文化に、女性の性の主体性が見える
  • 明治以降のタブー化で抑圧された女性の性的主体性が、令和に再び姿を現している
  • 女性用風俗・女性向け風俗は、日本古来の文化の継承と捉えることができる

「日本の女性は性に消極的だった」というイメージは、近代に作られた誤解です。 実際の日本の歴史には、性をおおらかに楽しみ、生命と結びつけて尊重してきた長い伝統があります。

女性用風俗・女性向け風俗は、その伝統を現代の形で受け継ぐ存在として位置づけることができます。 だからこそ、この選択肢を「特別なもの」「後ろめたいもの」として扱う必要はなく、自分の心と身体を大切にするための、ごく自然な選択肢として捉えてよいのです。

民俗学が教えてくれる日本の性文化の豊かさを胸に、自分のペースで、自分らしい時間を選んでみてください。 あなたの選択は、決して新しいものではなく、日本の長い伝統の中に確かな根を持っているのです。

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