DIARY 夏目 ハルの写メ日記
隣にいるのに、ずっと話している必要はない。 それぞれ違うことをしていてもいい。 僕は本を読んでいて、相手はスマホを見ている。 たまに、 「これ見て」 って画面を見せてくる。 またそれぞれに戻る。 僕はそういう時間も好き。 ただ同じ場所にいるだけで成立する関係。 もしそんな時間を一緒に過ごせたら、かなり心を許している証拠なんだと思う。
若い頃、「守る」という言葉はもっと格好いいものだと思っていた。 困った時に助けるとか。 何かから庇うとか。 でも今は少し違う。 相手が嫌がることをしない。 話したくないことを無理に聞かない。 約束を守る。 秘密を守る。 そういう小さなことの積み重ねが、人を守ることなんだと思う。 派手じゃない。 たぶん誰にも気づかれない。 でも僕は、そういう男性でいたい。
誰かと会ったあと、一人になった部屋って少し静かに感じる。 さっきまで話していたからかな。 僕はそんな時、今日のことを少し思い返す。 あの話面白かったな。 あそこで笑ってたな。 言えばよかったことも思い出す。 そしてスマホを手に取って、 「今日はありがとう」 と送る。 ほんの少し前まで一緒にいたのに、もうメッセージを送っている。 人を想う時間って、会っている時だけじゃないんだよね。 むしろ会ったあとから始まるものもある。
最近は何でも写真に残せる。 美味しい料理。 綺麗な景色。 楽しかった瞬間。 僕も写真は好き。 でも、ときどきスマホを出すのを忘れるくらい楽しい時間がある。 あとから、 「あ、写真撮ってない」 って気づく。 でも、それでいいと思う。 記録には残っていないけど、ちゃんと覚えている。 目の前の人を見ていた時間だから。 僕はそんな一日を、いい一日だったと思う。
一人で過ごすのが上手な人に惹かれる。 自分でカフェへ行って。 一人で映画を見て。 自分の時間を楽しめる。 そんな人が、 「今日は一緒にいたい」 と言ってくれたら、すごく嬉しい。 寂しいから誰でもいいんじゃない。 一人でも大丈夫だけど、あなたといたい。 その選択って、とても贅沢だと思う。 僕自身も、一人の時間は好き。 だからこそ、誰かと過ごす時間を大切にしたい。
用事はない。 伝えたいことも特にない。 でも、なぜか声を聞きたくなる人がいる。 僕はそれって、結構特別なことだと思う。 何かをしてもらいたいわけじゃない。 ただ存在を感じたい。 人を好きになるって、案外そういうものなのかもしれない。 僕もいつか、 「なんとなく声聞きたくなった」 って思い出してもらえたら嬉しい。 理由なんてなくていい。 理由がない方が、ちょっと嬉しいかもしれない。
嫉妬しない大人になれたら格好いいと思っていた。 でも、そんなに単純じゃない(笑) 大切な人なら、少しくらい気になる。 ただ、その気持ちで相手を縛るのは違うと思う。 人は誰かの所有物じゃない。 会いたいから会う。 話したいから話す。 それが一番嬉しい。 だから僕は「僕だけを見て」とは言わない。 でも、 「今日はハルに会いたかった」 なんて言われたら。 たぶん、かなり嬉しい顔をしていると思う。
服を選んでいる時、 「どっちが似合う?」 と聞かれるのが好きだ。 たぶん真剣に考える(笑) 色だけじゃなく、その人の雰囲気まで想像する。 でも最終的には、 「自分が着たい方がいいよ」 って言うと思う。 僕が好きな姿より、自分を好きでいられる姿の方が魅力的だから。 それでも僕の意見を聞きたいと言われたら、ちゃんと答える。 そういう小さな頼られ方って、結構嬉しいんです。
誕生日や記念日を大切にするのも素敵だと思う。 でも僕は、何でもない日の方が好きかもしれない。 9月の普通の火曜日。 特に理由もなく、 「会おうか」 となる。 美味しいものを食べて、話して、笑って。 何年か経ったら日付なんて忘れている。 でも、その時の気持ちは覚えている。 人を思い出すのって、案外そういう日なんじゃないかな。 特別だから会うんじゃなくて、 会いたいから会う。 僕はその方が好きです。
きちんとメイクしている顔も綺麗だけど、僕は少し眠そうな顔も好きだ。 目が半分くらいしか開いてなくて。 本人は、 「見ないで」 って言うかもしれない。 でも、そういう無防備な表情って、誰にでも見せるものじゃない。 だから可愛いと思う。 人って、安心できる場所では少し格好悪くなる。 髪が乱れていたり。 ぼーっとしていたり。 僕は、そういう姿を見せてもらえる方が嬉しい。 完璧じゃない姿まで安心して見せられる。 そんな相手になれたらいいなと思う。