DIARY 夏目 ハルの写メ日記
何度会っても、その人の全部を知ることはできない。 僕は、それでいいと思っている。 会うたびに、 「そんなこと好きだったんだ」 「そんな顔するんだ」 って、新しいものが見つかる。 長く付き合うほど分からなくなる部分があるのも、人の面白さだと思う。 だから「全部知りたい」とは思わない。 少しずつでいい。 次に会った時、また一つ知れたらいい。 全部分かってしまわないから、また会いたくなるのかもしれないね。
料理をしている時って、その人の性格が出る。 きっちり分量を量る人。 だいたいで入れる人。 僕はどちらかというと後者(笑) 途中で味見をして、 「まあ、いける」 で進める。 誰かと作るならもっと適当になる。 失敗しても、それはそれで面白いから。 完璧な料理より、 「ちょっと味濃かったね」 なんて笑いながら食べる方が記憶に残る。 一緒にいる時間も同じなのかもしれない。 完璧じゃなくていい。 二人が楽しかったら、それでいい。
楽しい夜って、 「もう一杯だけ飲む?」 という言葉が出てくる。 本当に一杯飲みたいのか。 もう少し一緒にいたいのか。 たぶん両方。 僕はあの言葉が結構好きだ。 帰ろうと思えば帰れる。 でも、まだ帰らない。 その選択に少しだけ特別な感じがする。 話題なんて何でもいい。 くだらない話でもいい。 時計を気にせず、もう少しだけ。 大人になると、そういう時間が意外と少ない。 だから余計に、大切にしたくなるのかもしれない。
もういい大人だけど、好きな人の前では多少格好つけたい。 これはたぶん、何歳になっても変わらない(笑) 美味しい店を知っていたいし、似合う服も着たい。 困っていたら頼られたい。 でも昔と違うのは、格好悪いところまで隠そうとは思わなくなったこと。 間違えることもある。 知らないこともある。 そんな時は普通に、 「ごめん、分からない」 と言える方がいい。 格好いいだけの人より、ちょっと抜けているくらいの方が一緒にいて楽しい。 僕自身も、たぶんそんな感じです。
高級なお店も好きだけど、夜に二人でコンビニへ行くのも好き。 「何飲む?」 「これ美味しそう」 そんな会話をしながら店内を歩く。 特別なことは何もない。 でも僕は、こういう時間に妙に親密さを感じる。 たぶん「デートしてます」という時間じゃなく、日常の中に二人がいる感じがするから。 ホテルへ戻って袋を開けたら、なぜか甘いものばかりだったりして(笑) そんな普通の時間まで楽しい人とは、また会いたくなる。 僕にとって相性って、案外そういうところなのかもしれない。
突然雨が降ってきて、二人で軒下に逃げ込む。 そんな予定外の出来事が嫌いじゃない。 髪が少し濡れて、 「最悪だね」 と言いながら笑う。 予定通りじゃないからこそ、その人の素が見えることがある。 僕は、完璧なデートより少しハプニングがある方が好きなのかもしれない。 あとになって、 「あの時すごい雨だったよね」 って話せるから。 人生も人間関係も、予定通りにはいかない。 だったら、一緒に笑える人がいい。
大人になると、わがままを言わなくなる。 食べたいものがあっても「何でもいいよ」。 行きたいところがあっても「合わせるよ」。 優しさなんだけど、少し寂しい時もある。 僕は、 「今日はこれが食べたい」 「ここ行ってみたい」 って言ってくれる人が好きだ。 その人のことが分かるから。 もちろん全部叶えられるわけじゃない。 でも二人で、 「じゃあ今日はそうしよう」 って決めるのが楽しい。 僕の前では少しくらいわがままでいてほしい。 その方が、その人らしくて可愛いと思うから。
人から聞いた話を、別の場所で話すのがあまり好きじゃない。 たとえ面白い話でも。 その人が僕に話してくれたことは、その人と僕の間に置いておきたい。 だから時々、 「こんなこと誰にも言ったことない」 と言われると、少し嬉しくなる。 内容が嬉しいんじゃない。 僕なら話してもいいと思ってくれたことが嬉しい。 人と近くなるって、秘密をたくさん知ることじゃないと思う。 言わなくてもいいことを、安心して言えるようになること。 二人しか知らない話が一つ増えるたび、少しだけ距離が変わる。 僕はそういう関係を大切に...
僕は、本当に強い人ほど「疲れた」と言える気がしている。 昔は逆だと思っていた。 弱音を吐かず、一人で全部できる人が強いんだと。 でも長く生きていると、それだけじゃ続かないことも分かる。 仕事ではしっかりしていて。 家では頼られて。 周りにはいつも笑っている。 そんな人ほど、ときどき何もしなくていい場所が必要なんじゃないかな。 僕の前では、しっかり者じゃなくてもいい。 格好よくなくてもいい。 「今日はちょっと疲れた」 それだけで十分。 たまには誰かに任せることも、大人には必要だと思っています。
目的地まで最短で行くことはできる。 スマホを見れば、一番早い道もすぐ分かる。 でも誰かと歩いている時は、少しくらい遠回りしてもいいと思っている。 話の途中で駅に着いてしまったら、ちょっと残念だから。 「もう少し歩く?」 そう言って、知らない道へ曲がる。 結局何もなかったりする(笑) でも不思議と、そういう時間の方を覚えている。 効率だけ考えれば無駄。 でも、人と過ごす時間には、その無駄が必要なんだと思う。 好きな人となら、遠回りも悪くない。