DIARY 夏目 ハルの写メ日記
昼の仕事を終えて、ネクタイを外す瞬間が好きだったりする。 首元が少し楽になって、 「あ、今日も終わった」 ってなる。 たったそれだけなんだけど、仕事の自分から普段の自分に戻るスイッチみたいなもの。 昼間は判断したり、説明したり、ちゃんとしていなきゃいけない場面も多い。 でも、ずっとちゃんとしているのは疲れる。 だから誰かと過ごす時くらいは、お互い少し力を抜いていたい。 きちんとしているところもある。 意外と抜けているところもある。 たぶん両方とも僕なんだと思う。 完璧に見せるより、そんな部分まで...
自分の声について、昔は特に意識したことがなかった。 でもこの仕事を始めてから、 「声、落ち着きますね」 と言ってもらうことが増えた。 最初は意外だった。 自分の声なんて毎日聞いているから、何がいいのか本人には分からない。 でも、電話や配信のあとに「眠くなった」と言われると、ちょっと嬉しい。 たぶん僕は、話す時にあまり急がない。 相手が考えている時は待つし、言葉が出てくるまで先回りもしない。 だから声そのものというより、そのテンポなのかもしれない。 昼間はいろんなことを考えて、誰かに合わせて、気づ...
帰り道に、ふと誰かを思い出すことがある。 何を話したかは覚えていない。 でも、一緒にいた空気は覚えている。 落ち着いたこと。 安心したこと。 少しだけドキドキしたこと。 人の記憶に残るのは、言葉より空気なんじゃないかな。 だから僕も、思い出した時に少し心が温かくなるような存在でいたい。
僕は、触れる前の時間を一番大切にしている。 話して。 笑って。 少し緊張がほどけて。 その空気ができた時には、もう心の距離は近くなっている。 触れることは、その安心を確かめるような時間なのかもしれない。
ふっと目を閉じる瞬間がある。 安心した時。 気持ちがほどけた時。 人って、その一瞬だけ無防備になる。 僕は、その空気が好きだ。 信頼って、きっとそういう小さな積み重ねなんだろうなと思う。
僕は別れ際を大事にしている。 最後に交わす笑顔。 「今日は、ほんとにありがとう」 その一言。 ほんの数秒だけど、その日の印象はそこに全部詰まっている気がする。 だから最後まで気を抜かない。 帰る時に少し名残惜しいくらいが、ちょうどいいのかもしれない。
夜って、人が少し素直になる時間だと思う。 昼間は頑張っている人も、夜になると少し肩の力が抜ける。 だから夜の会話は好きだ。 無理に元気を出さなくていい。 頑張って笑わなくてもいい。 ありのままで話せる時間って、大人になるほど少なくなるから。
僕は、人の照れた顔が好きだ。 何か特別なことがあったわけじゃない。 名前を呼ばれたり。 目が合ったり。 何気ないことで少し笑ってしまったり。 その自然な表情を見ると、「今、この人は安心してくれているんだな」と思う。 その瞬間が、何より嬉しい。
向かい合うより、横に座る方が好きだ。 少しだけ肩が近くて。 同じ景色を見られるから。 目を合わせ続けなくてもいい。 会話が途切れても気にならない。 そんな距離感が心地いい。 人との関係って、向き合うことも大切だけど、一緒に同じ方向を見る時間も必要なんじゃないかな。
人って、案外手の感覚を覚えている。 以前、お久しぶりに会った方が開口一番に言った。 「手、覚えてます。」 その一言が、すごく印象に残っている。 顔よりも。 言葉よりも。 その時に感じた安心感を覚えていてくれた。 それって、すごく嬉しいことだと思った。 僕も誰かの記憶に残るなら、派手な思い出より、「安心した」という感覚で残れたら嬉しい。